こんにちは、じぶんじくのKouです。
今日は「デザイン的な問題解決」について書いてみたいと思います。
この記事で分かることは?
アートとデザインの違いは何か?
とっても簡単にお伝えすると、アートは「問題提起」でありデザインは「問題解決」だと私は考えています。
ビジネス現場では、日々、問題解決を繰り返していると言えます。
では「ビジネス=デザイン」なのでしょうか?そう問いを出してみると少し違うような気もします。
では、デザインとはいったい何なのでしょうか?
デザインにおける最近の潮流
デザインと言われると、色や形をイメージされる方がほとんどだと思います。もちろんこれは間違いではありません。
例えばデザインといえば以下のようなものがあります。
- グラフィックデザイン
- WEBデザイン
- 空間デザイン
- プロダクトデザイン 等々
このように、デザインと一言で表しても様々なものがあります。
少し前までは、デザインと言えば「色」「形」といった意匠のことを指すことが多かったかと思います。
一方で、昨今は「デザイン経営」という言葉も出てきました。
これは、2018年に経済産業省が発表したものになります。
▼「デザイン経営」宣⾔https://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180523002/20180523002-1.pdf
企業の競争優位を築くために、「ブランド力向上」と「イノベーション力向上」を図ること=デザイン経営、ということになります。
つまり、デザインは意匠に留まらずに、ブランディングといった価値向上や、イノベーションという企業や社会の革新にまで及んでいるということです。
問題解決におけるデザイン思考とビジネス思考の違い
先ほど「デザインは問題解決である」とお伝えし、一方でビジネスも問題解決であるとお伝えしました。
ではデザイン的な問題解決と、ビジネス的な問題解決は、何が違うのでしょうか。
これはあくまで私の一個人の意見ですが、以下のように考えています。
「人間中心的に考える問題解決がデザインであり、課題特定型の問題解決がビジネス思考である」
ビジネスの現場ではよく、「課題はなんだ?」と言われるのはこの考え方ですね。
具体的に例を出して違いを考えてみましょう。
コロナの影響で公園が密になる可能性があり使わないことにした。その場合の解決策を考えましょう。
従来のビジネス思考では、公園を使わないようにすれば良いのであるから、”赤い字で「立ち入り禁止」と書いてある黄色いテープを貼れば使えなくなる”。これで問題解決です。正解ですよね。とっても早いです。
ただ、感情に着目した場合はどうでしょうか?
大好きだった公園に、ある時、突然立ち入り禁止のテープが貼られて事故現場のようになっている。子供達は本当に悲しい想いをすると思います。
では、デザイン的問題解決とはどのようなものでしょうか。
まず抑えるべき点は以下の通りです。
- 前提として密を避けることは必須
- そもそも公園に来て感じたい気持ち(目的)とは?
- 子供達の感情を満たすには?
これらを満たす解決方法を考えてみましょう。
2の問いに対しては、「体を動かして楽しみたい」「友達に会いたい」「外に出たい」こんなことがあるかと思います。
その上で密を避ける案としては、
- 留まってしまう空間を作らず、空気が流れるようにして、人の動きの流れをつける
- 公園にカメラを設置して、特定のアプリと繋げて通信可能にして友達に会えるようにする
- 密を避けることが正しいと思えるルールや遊具の導入
実現可能性は抜きにして、アイデアとしては沢山出て来ますよね。
ここでお伝えしたいのは私のアイデアがどうこうではなく、単に「制限」や「禁止」をして課題解決を行うのではなく、人間が持っている”〜したい”いう気持ちを叶えた上で、”やって欲しくないことを自然とさせないしくみ作り”をすることが大切だということです。
デザイン思考とは?
一応お伝えをしておくと、従来の課題解決方法が悪いということを言いたいのではありません。
どちらかというと、私は大学院でその手法を散々トレーニングしてきました。従来の解決方法でも素晴らしい結果が出ることはいくらでもあります。
ただ、私は人間の感情に配慮をして、より心が豊かになる社会を作っていきたいと考えています。
機能的な考え方だけで解決方法を探すのではなく、人間本来が持っている欲求を抑えつけない形で、問題解決していく方法を実践したいと考えているのです。
これらの考え方は、デザイナーであれば、当然持っている感覚ですが、昨今ビジネスパーソン向けに「デザイン思考」と呼ばれている思考方法があります。
よく”人間中心的設計”なんて呼ばれますが、人間の感情や認知科学に基づいて行われている手法となります。
単に禁止や抑制、制限をするのではなく、形ややり方が変わっても目的を抑えて、人々の感情が満たされる社会になっていくと嬉しいなと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
過去から学び、未来を見据えて、現在を楽に生きていきましょう!