こんにちは、じぶんじくのKouです。
今日は番外編ということで物語を書いてみました。
ちょっとした箸休めに読んでもらえると嬉しいです。
<以下物語>
ここはできる村。
自然が豊かな街です。
山や湖、少し車を走らせると海にも行けます。
名前はしいちゃん
少し物静かな可愛い女の子です。
しいちゃんはダンスやお歌が大好き。
小さい時から音楽に合わせて歌ったり踊ったりしていました。
また、しいちゃんにはもうひとつ、とっても得意なことがあるのです…それは…
しいちゃんが外を歩いていた時のことです
力持ちのげんたくんが山で遊んでいました
しいちゃん:「げんたくん、何してるの?」
げんたくん:「おれは力持ちだからさ、岩を持ち上げて、木を持ち上げてるのさ。ほらお前もやってみろよ」
しいちゃん:「わかった、私も岩を持ち上げてみるね!せーのっ!」
ところが、重たい岩はしいちゃんには持てませんでした。
しいちゃん:「うーーん、持てないよーー」
げんたくん:「なんだこんなの小さな石ころじゃないか、こんなのも持てないのか」
しいちゃんは悲しい気持ちになり、その場を離れました。
しばらく歩くと川が見えてきました。
そこには泳ぐのが得意なすいちゃんが遊んでいました。
すいちゃん:「あ、しいちゃん!一緒に泳ごうよー!気持ちがいいよ!こっちまでおいで!」
しいちゃん:「うん!楽しそうー!」
しいちゃんは川に飛び込みました。
ところがしいちゃんは泳ぐことがあまり得意ではありませんでした。
しいちゃん:「すいちゃん、そこまで行けないよー」
すいちゃん:「え、しいちゃん、こんな少しの距離も泳ぐことができないの?」
しいちゃんは悲しい気持ちになり、濡れた服のままその場を離れました。
しばらく歩くと図書館が見えてみました。
中に入ってみると勉強が得意なつとむくんが木の傍で本を読んでいました。
つとむくん:「やあ、しいちゃん。面白い本を見つけたから読んでみるかい?」
しいちゃん:「うん!読みたい!どんな本?」
しいちゃんは本を手に取って読んでみました。
ところが難しい字が沢山書いてあって読むことができません。
しいちゃん:「この本、なんて書いてあるのか全然わからないよー」
つとむくん:「そうか、しいちゃんは漢字が読めないんだね」
しいちゃんは悲しい気持ちになり、図書館を出てその場を離れました。
しいちゃん「あーあ、みんなができることが私にはできない…」
しばらく歩くとお花が咲いている野原に到着しました。
しいちゃんは歩き疲れたので、そこに腰を下ろして雲を眺めていました。
しいちゃん「雲はゆっくり~、あの雲は鳥さんに似てる。あ、あっちは蝶々みたい。」
しいちゃんはそれから空想をしていきました。
「鳥さんと蝶々が仲良くなってしいちゃんの所に遊びに来るの。それでしいちゃんにも羽が生えて一緒に空を飛ぶんだー。そしたら色んなところに行けて街がぜーんぶ見えるの。」
「空を飛んでいたら竜の谷に到着して、竜にバレないように宝石を持って帰るの。でも寸前のところで竜は起きちゃって、急いでしいちゃんと鳥さんと蝶々さんは逃げるの。その時、大雨が降って竜は雨が嫌い~って言って帰っちゃうんだ~」
「そのお話し面白いー!!」
しいちゃん「え!?」
そこにいたのはげんたくんと、すいちゃんと、つとむくんでした。
「さっきは言い過ぎたなーと思って謝りに来たんだ」
「そしたらしいちゃんがお話ししているから何かな?って聞いていたの」
「面白いお話しだったー!すごい想像力だよ」
みんな口々にしいちゃんにもっとお話しを聞かせてと言いました。
しいちゃんはとても嬉しい気持ちになりました。
力も弱いし、泳ぐこともできない、漢字も読めないけど、しいちゃんには空想して楽しいお話しを考える力がありました。
しいちゃんのお話しは周囲の人達を楽しませて勇気付けることができるのです。
20年後、大人になったしいちゃんはどんな空想をして人を喜ばせているのでしょうね。
おしまい